“東灘こどもカフェ”の物語り

「愉快で楽しい多世代交流」を

キーワードに活動

山本 周作(コープこうべ職員)

 

「愉快で楽しい多世代交流」をキーワードに、東灘区で活動する「東灘こどもカフェ」。老若男女誰もが気軽に立ち寄れ、昼食をとることもできる地域の居場所「木洩童(こもれど)」の運営や、高齢者・子どもへの昼食配食活動、地域住民の生活の困りごとをサポートするなど、東灘区内における多世代交流の場と地域住民同士の助け合いの仕組みを作り出しています。

同団体が活動を開始したのは2011年。「子どもたちに食べ物に関心を持ち、食事を楽しんでほしい」という想いから、同団体の代表 中村保佑さんが友人たちとともに立ち上げました。

そこから活動の輪が広がり、今では子育て世代や高齢者なども集う、地域の多世代交流の場に発展。設立から2017年までの6年間で計800回を超えるイベントを主催し、小学生から高齢者まで延べ32,000人以上が活動に参加してきました。また、2016年度の年間の活動日数は363日にものぼるといいます。

この活動も、決してトントン拍子に大きくなったわけではありませんでした。活動を始めてから1年から2年の間は、居場所をオープンしても思うように人が集まらないこともあったとか。それでも、家族のように、頻繁に顔を出してくれる人が、訪れるようになりました。楽しく過ごす様子を見て、諦めることなく活動を続けるうちに、参加者が増え、やがて、参加者の中から要望や企画を持ち寄り、自ら実現するようになっていきました。

居場所に集まる誰もが皆を家族だと思う心を持ち、自分のできる範囲で活動の運営や参加に関わること、そして、常に開かれた活動であることが成功の秘訣。「この活動は、居場所に集う人たちの、ちょっと人に喜んでもらえたらという想いから生まれた行動が積み重なって成り立っている」と中村さんは言います。

最後に、中村さんに今後の地域づくりへの想いについて聞きました。「木洩童(こもれど)のような楽しく愉快な地域の居場所が、他のエリアでも中学校区に1つできるといいなと思う。地域には、開かれたスペースが必要だ」

地域住民の交流の輪、そして助け合いの輪がもっと広がるよう、東灘こどもカフェは活動を続けていきます。

2017年8月

 

 

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