なだ・ワークライフカフェの物語り

今思っていることを声に出してみるだけで

そこから何かが変わることもある

西條慶子(コープこうべ職員)

●「小学校に上がったら、何時に下校するの?」「学童保育はいろいろあるけれどそれぞれ何が違うの?」「警報発令時、学級閉鎖のときにはどうするの?」「PTAの活動ってどんなの?」そんな質問が次々と聞こえてくる。

訪れたのは、神戸市灘区大和町のサポートステーション灘・つどいの家。
「なだ・ワークライフカフェ」主催の『小1の壁ってなんだろう』のイベントだ。

参加者は、自分の子どもが小学校に就学したときに、どのような環境変化が起こるのか漠然と不安をもった働くママたち。
「身近に頼れる人がいない」「自分のキャリアも考えたいが子育ても手を抜きたくない」抱える背景は様々だ。
今はネットなどで子育てに関する情報はあふれていて簡単に入手できるけれども、本当に欲しいのは育児に関する地域の生きた情報と同じ年代の子どもを育てる親同士の出会いやつながりだと参加者はいう。

「なだ・ワークライフカフェ」代表の鴨谷さんの陽だまりのような暖かな進行のもと、先輩ママのさまざまな経験談がこぼれだし、参加者もついつい自分の悩みを打ち明ける。
ここでのルールは、①言いたくないことは言わない②自分の考えをおしつけない③個人情報は外に出さないの3つである。

悩みを共有する、話を聞いてくれる、共感しあえる仲間がいる、それだけで気持ちが楽になる・・・
イベントが終わるころ、参加者は満たされた表情に変わっていた。

 

●なだ・ワークライフカフェを運営する4人も、同じ悩みを抱える働くママ。

自分が困っていることは、今、誰かが困っていること。誰かの役に立ちたい。
自分はこうしたいんだ!と気づくことのできる場づくりが好き。
親子で楽しむレクリエーションが好き・・・
運営者の想いは様々だが、単純に自分がやりたいことだから、自分の成長にもつながるからという想いは共通で、それが活動の原動力になっている。

自分たちが仕事で培ったスキルを惜しみなく提供し、チームワークで仕事をこなす。決して無理をせずできる範囲で活動することが、活動を持続させるための信条だという。

仕事と家事と育児に追われながらも、もっと子供と一緒に楽しみたい、自分自身の成長のために学びたい、子育てに関する生きた地域の情報を仕入れたい・・・そこに運営者と参加者の垣根はない。

●子育てに関する悩み、自分自身のキャリアに関する悩み、いろんな悩みがあるけれども、これって、本当はこうありたいっていう理想や願いがあるから。その実現のために、みんなで教えあい、助け合えるつながりがあるって、とても素晴らしい。私も何かできそう・・・。同じ働く母親として、胸に迫るものがあった。
「今思っていることを声に出してみるだけで、そこから何かが変わることもある」鴨谷さんの言葉が心に残る。

 

あとがき)
なだ・ワークライフカフェでは、今回のイベントに限らず様々なイベントを開催しています。
ぜひ、こちらのホームページをのぞいてみてください。新たな出会いが待っているかも。
http://nadaworklifecafe.wixsite.com/mysite

2017年11月

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