NPO起立性調節障害ピアネットAliceの物語り

支えあって希望に向かって

ワクワクする仲間を創る会 宝山敏

 「『はよ起きんと、学校遅れるよ!』と声を掛けても、なかなか起きてこない。学校に行かせるために、中学生の娘をどうにかして起こすことが毎朝の日課でした。部屋に見に行くと、娘は蝋人形のように血の気が感じられない様子で寝ています。ただ事ではないことがこの子に起こっているのでは?と不安になる日々。でも、午後には体調が良くなりいつも通りに。いろんな病院を受診したものの、原因はわからず。朝起き上がれないのは自分が悪い・・と落ち込んでしまう娘を見て、親も一緒に悩んでいました。

そんな中、現在、『NPO起立性調節障害ピアネットAlice』代表の塩島さんが、ブログにこの症状について書かれているのを見て、「娘と同じ。これなのかも! 」と連絡を取りました。オフ会に参加して専門医がいることを初めて聞き、連絡するも予約はいっぱい。約半年後、ようやく「起立性調節障害※」と診断されました。娘も私も自分の頑張りが足りないのではないと安心し、精神的苦痛から解放されました」。

こう語るのは、「NPO起立性調節障害ピアネットAlice」副代表の碓井理恵さん。同団体は代表の塩島さんと、ブログを通じて知り合った親たちが、この病気についての周知、理解を広げたいと立ち上げたそうです。

  代表の塩島さんから情報提供

同団体は、毎月1回、第2土曜日の午後から、「カフェAliceの会」を神戸市立青少年会館で開催しています。「カフェAliceの会」は、参加したい時に参加できるオープンな空間です。訪問した日には、大人22名と子ども8名が参加。長年来られている方から、初めて参加する方までいて、先輩たちからアドバイスが聞けたり、思いを吐き出せ、悩みをわかち合える仲間がいる場があることで心が救われます。

「カフェAliceの会」には、親だけでなく、子どもも参加できます。子ども達は別の部屋で、「今どんな感じ?学校はどうしてる?」「私が通っている学校はこんなことできるよ」など、情報交換や今の悩みを打ち明けたり、当事者である自分たちにしかわからない思いを話し合っています。

2018年10月

 

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